コラムCOLUMN
夜は幾分、気温が下がってきた感もありますが、日中は、未だに暑い日が続いています。
地球温暖化による気候変動などの影響で、今年はひょっとしたら10月くらいまで、30℃を超える日が起こる可能性があるかもしれないと、もう既に予想している機関もあります。
暑さを避けて涼しいはずの屋内にいても、熱中症にかかってしまう人も多いなど、近年は、立秋の日を過ぎてもなお、熱中症や暑さに対する十分な対策が必要になってきています。
それなりの対策をとっていたつもりでも...。
巷では、ほぼ毎日のように、暑さ対策に関する情報が、テレビなどで流れており、みなさんも十分に認知の上、日々行動をされているかと思われます。
大事に至らぬように、ただ水分をとるだけでなく、ナトリウムバランスも考えた経口補水液を、意識的に摂取したり、太い血管が通る首などを中心に、しっかりと冷やしたりしながら、外に出ることを心掛けている方も、たくさんいらっしゃるようです。
それでも、長引く暑さのせいか、熱中症にかかってしまう人は、なかなか後を絶ちません。
ともかく体にこもった熱を下げるべき
「もしかしたら熱中症になり始めたかも?」と体が感じ出した時には、もう、上記のような方法や対策では、すでに間に合わない可能性が大いに考えられます。
とりわけ、持病がある方や、高齢者、小さなお子様などは、人並み以上に熱中症にかかりやすい傾向があります。
まずはともかく、体にこもった熱を下げることを最優先に考えて、過去に何度かこのコラムの中で紹介した、軽度の熱中症からの回復をはかることができる漢方薬を、ここで改めて、2つほど紹介してみたいと思います。
◆『竹葉石膏湯』
配合生薬の「竹葉」と「石膏」が、体にこもった熱や、体の奥に残っている熱を下げて、残りの「麦門冬」や「人参」などの生薬で、熱で失われた体液や水分を補い体に潤いを与え、めまいやふらつきなどの症状を緩和して、体力を回復させてくれます。
風邪が治りきらず微熱が続き、長引く咳や、乾いた咳にも効果的な処方です。
最近では、いざという時に、水なしで、子供からお年寄りまで手軽にさっと飲める、ゼリータイプの製剤も販売されています。
◆『白虎加人参湯』
こちらも、竹葉石膏湯と同様に、生薬の中でも、最も熱を冷ます効果の高い「石膏」が配合されていて、それに「知母」という生薬を合わせることで、さらに潤しながら熱を冷まし、加えて「人参」や「粳米」などの生薬で、胃腸を整え、体を立て直してくれる処方です。
特に、発汗や、口の渇きなどの症状が顕著な時には、効果を発揮してくれます。
夏場の「ヒートショック」にも注意が必要
それから、暑い盛りには、冷えた室内と、高い外気との急激な温度差で、血管に大きな負担がかかり、脳梗塞や心筋梗塞などの引き金となる、「ヒートショック」にも注意が必要です。
ヒートショックと言えば、よく寒い冬の、お風呂場などで起こるイメージが強いかと思われますが、夏場でも、こうした室内外の寒暖差が、体に急な血圧変動を生じてヒートショックを起こし、めまいや立ちくらみ、ひどければ脳梗塞や心筋梗塞を起こすきっかけとなります。
外気と室内の温度差が、10℃以上ある場所での行き来は、特にその危険度が高いとされており、高齢者に限らず若い人たちも含め、この時期にも数多くのヒートショックの発症例の報告があげられています。
暑さから血管を守る対策
また、こうした症状を起こさぬよう、暑さに負けない強い血管をつくるための対策としても、効果的な漢方薬がいくつかあります。
「丹参」、「紅花」、「牡丹皮」、「芍薬」、「川芎」、「桃仁」などを主薬として配合した漢方薬は、〝活血化瘀薬″と呼ばれていて、暑さによる発汗で脱水気味になり、粘度が上がった血液を、少ない水分でも詰まらないようにサラサラにしてくれる働きがあります。
中でも特に、「丹参」は、血栓を溶かして滞った血を取り除き、血管を強くしなやかにする作用があると言われています。
また他にも〝開竅(かいきょう)薬″と言われる「牛黄」には、血液や体にこもった熱を冷まして放出し、血流を良くして脳や心臓の働きを回復してくれる効果があります。

涼しい環境ばかりを整えてもダメ?
それから「これだけ暑い日が続いているので、できるだけ涼しい環境にして過ごして下さい」と、よくニュースや気象情報などでは、注意喚起が伝えられることがあります。
とはいえ涼しく整った場所ばかりにいると、今度は、人が本来、気温の変化に対応するため体に備えている体温調節の機能が低下してしまい、どんどん暑さに弱くなって、体調を崩しがちになってしまいます。
暑い気候が続く際には、「暑熱順化」の行動が必要だと言われています。
「暑熱順化」とは、身体を暑さに慣れさせることを言いあらわした言葉です。
そのための行動としては、暑い中でも無理のない範囲で、散歩やストレッチ等の軽めの運動で、適度に体を動かしたり、できるだけ湯船に浸かること心掛けたりして、血流を良くして発汗量を増やし、体の熱の放散力を向上させることが大切です。
暑熱順化することで、体温が低くても汗をかきやすくなり、体から熱が逃げやすくなります。
物の取りすぎにも注意を
加えて、この暑さで、ついつい冷たい物を取り過ぎてしまわないようにも気をつけましょう。
胃や腸などの内臓が冷え過ぎてしまうと、体の深部に必要な熱が、外側へと追いやられてしまい、体表や手足などの末端に、熱のこもりを感じやすくなってしまいます。
そしてさらに、胃腸が冷えると、体も重く疲れやすくなり、気力も低下して夏バテも起こしやすくなります。
暑い日が続いている時こそ、普段よりこまめな休養をとりつつ、適度に汗をかく行動をして、暑すぎず、冷えすぎない環境での生活に努め、冷たい物を取り過ぎない生活を、習慣づけていきましょう。
★カウンセリングについて★
気になる症状の改善や緩和に適した、漢方薬や健康食品を、きちんとセレクトするために、カウンセリングにはしっかりと時間をかけて対応させて頂きます。
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大賀薬局 博多口店 漢方カウンセリング (担当) 梅川

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梅川 哲朗 (登録販売者・九州中医薬研究会会員・国際中医臨床薬膳師)
所属店舗 大賀薬局 博多口店
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色んな症状を持ちながら診療では病気ではないと言われて悩むお客様方にお役に立ちたく、日々、中医薬診断の学びと実践に努めています。細かい症状などを伺って体質を判定し、お客様個々に合った漢方薬や市販薬の上手な活用法をご提案しております。お気軽にご相談下さいませ。
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