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2021.2.5花粉症はなぜ起こる?その原因と特徴、そして対策について

梅川 哲朗

大賀薬局 ライフストリーム 漢方薬 梅川 哲朗

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花粉症はなぜ起こる?その原因と特徴、そして対策について

今年もまた、スギやヒノキを中心とした花粉が、最も飛散する季節がやってきました。
人によっては、一年中アレルギー反応を起こす原因となる花粉が存在するため、その症状は季節を問わず発症してしまいます。現在、様々な花粉症の症状を抑制、または軽減できる「対症療法」による薬は、数多く存在していますが、完治に至る「根本治療」はまだ確立されていません。

人はなぜ花粉に反応して症状を起こしてしまうのでしょうか?
ここでは細かいメカニズムの解説など、やや込み入った話は省略して、できるだけシンプルに花粉症の原因と特徴、および対策について、漢方的な視点から考察してみたいと思います。





花粉症とは



花粉症は、鼻腔粘膜がスギ花粉などの特定の物質に対して、過剰なアレルギー反応を起こす鼻炎のことです。くしゃみ・鼻水・鼻づまりの3大症状の他に、目のかゆみや涙目・充血、さらに疲労感や食欲不振などの全身症状が起こることもあります。
また、花粉症が毎年のように流行りはじめたのは、1980年前後からで、花粉の飛散までに30年かかるといわれるスギの大量植林が、1950年前後から始まったことが要因だと言われています。スギ花粉症は、その年の花粉の飛散量によって増減はありますが、毎年、日本人の約5人に1人が罹患しているというデータが出ています。





発症してしまう原因とその特徴


花粉症はスギやヒノキだけでなく、約60種類の植物が引き起こすと報告されており、原因となる花粉の飛ぶ季節だけに起こる、「季節性アレルギー性鼻炎」とも呼ばれています。花粉はウイルスなどと違い、一般的には人間にとって無害なものなので、その花粉に過敏に反応してしまうのは、身体の防衛力(抵抗力)が弱いことが原因だと考えられます。
ましてや、通年性の人はさらに抵抗力が弱いものと思われます。
なおかつ、このことはくしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの主な症状からみても、その人の体の中の水分代謝と大きく関係していることが考察されます。

この花粉症の発症に至る流れの一例を、簡単に説明すると以下のようになります。

1. 日頃の冷たい物や水分の取り過ぎ、過労などで胃腸機能が衰える
          ⇩
2. 消化吸収が低下して、代謝しきれない水分が体内に残る
          ⇩
3. 体の生理機能が障害をうけて、体を守る防衛力が低下してしまう
          ⇩
4. 花粉が侵入。体内の過剰な水分に反応して、くしゃみ・鼻水などの症状が出る


つまり、「内的要因」は体内の余分な水分や防衛力・抵抗力の低下、そして「外的要因」は花粉ということになります。





日頃から意識して行うとよい対策


次に、日常生活の上で気をつけておくとよいことや、対策についていくつかあげてみたいと思います。

◆『花粉が飛びやすい日を把握する』

毎日の花粉情報とともに、「気温が高く、湿度が低い日」「風の強い日」「前日に雨が降った日」「晴れた日の昼過ぎや日没の頃」などといった飛散しやすい日を意識して行動するとよいでしょう。また逆に夜間や雨の日、気温が低い日などは花粉が飛びにくい傾向にあります。


◆『花粉を体内に侵入させないための行動をとる』

ウイルス対策と同様に、うがい・手洗い・マスクはもちろんのこと、専用メガネや花粉がつきにくいツルツルした素材の服の着用、帰宅時には入室前に衣服を叩き、洗濯物は室内に干すようにして、窓の開閉には十分注意を払って下さい。
さらに加えて、鼻洗浄や洗眼なども、毎日まめに行うとよいでしょう。


◆『免疫力を整え、悪化させない行動をとる』

花粉症は免疫機能の異常によって起こるアレルギー反応でもあるので、体の免疫力を整え抵抗力を上げることで、症状を抑えることが期待できます。
そのためには、自律神経を乱し免疫バランスを崩す「ストレスを溜めないようにすること」、「十分な睡眠をとること」、「体を冷やさず常に暖かくして血流をよくしておくこと」などを心掛けておきましょう。また、免疫機能に関与している腸内環境を整えるものを、積極的に摂取することもよいと言われています。
それから、お酒やタバコは鼻の粘膜を刺激して、鼻づまりなどのアレルギー反応を悪化させる要因となるので控えましょう。


◆『体に余分な水分をため込まない』

揚げ物などの脂っこい食事、そして刺身・生野菜・ビールなどの、生ものや冷たいものは、体に余分な水分をため込んでしまうので、できるだけ取り過ぎないようにしましょう。
また甘いものは、水滞・水毒を起こしやすい体質をさらに悪化させてしまうので、洋菓子・和菓子はもちろん、糖度の高い果物の食べ過ぎにも注意しましょう。





それぞれの体質に合わせた漢方薬による予防や治療


花粉症などのアレルギー性鼻炎は、漢方薬の得意分野の一つでもあります。
鼻水や鼻づまりなどの状態に応じて「小青竜湯」「葛根湯加川芎辛夷」「荊芥連翹湯」「辛夷清肺湯」といった処方を選定する方法が最もポピュラーなところではあるのですが、ここでは、これらの効きめがあまり実感できない人や、本来の花粉症が発症する原因や体質に目を向けて、一部の処方例をいくつかあげてみたいと思います。

まず、そもそも花粉自体がなければ花粉症は発症しません。この花粉という〝外邪″を取り除くことを中心に考えた処方には「桂枝加竜骨牡蛎湯」や「川芎茶調散」などがあります。

そして、体に余分な水がなければ鼻水は出ません。この不必要な水を除去する基本処方が「小青竜湯」なのですが、それでも効かない人には体質をみながら「麻黄附子細辛湯」や「苓桂朮甘湯」「半夏白朮天麻湯」などを使います。これらの処方は花粉症の時期とは関係なく寒い時にはすぐに鼻水が出てしまう人にもよく効きます。

それから、免疫バランスが崩れて防衛力・抵抗力が低下し発症している人には、体力や年齢に応じ「補中益気湯」や「黄耆建中湯」、先ほど同様に「麻黄附子細辛湯」などを使います。





漢方薬と西洋薬、それぞれの特徴を活かし上手に使い分ける



漢方薬の主な特徴は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの西洋薬と違い、副作用による眠気や、悪循環の原因となる喉の渇きなどが、ほぼ起こらないことです。
そして何よりも、漢方薬は鼻水を完全には止めません。もともと鼻水は、異物やゴミなどが体内へ侵入するのを防ぐ役目も兼ね備えています。必要な鼻水は残し、身を守ってくれます。

それでも、本当につらい症状の時などには、その場を西洋薬でしっかりと抑えながら、漢方薬でそれぞれの状態に合わせてきちんと治療を行って、体質の改善をしていくことが、望ましい対策ではないかと考えます。





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