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2020.11.15足の裏がほてってなかなか眠れない

梅川 哲朗

大賀薬局 ライフストリーム 漢方薬梅川 哲朗

足の裏がほてってなかなか眠れない

寒い日は暖かい布団に入ってぐっすり眠りたいですよね。
それなのに、いざ横になってしばらくすると、足の裏が熱く感じてなかなか眠れないことはありませんか?

なんとか足だけでも冷やそうと布団から少し出してみると、足の裏以外の足先は徐々に寒さを感じて、ますます眠れなくなったりして…。




「足の裏のほてり」の原因とは?

一般的に言われている、「むずむず脚症候群」や「バーニングフィート症候群」と共通するようで、少し違うような、この厄介な足の裏の症状にはどんな原因があるのでしょうか。
主なものとしては次のようなことが考えられます。

◆『疲労の蓄積』(過労)
1日中歩き回ったり、立ち仕事が多い人などは、特に足の筋肉を中心に疲労が蓄積してしまうため、血の巡りが足の底で停滞しがちになり、そこに熱を持ってしまいます。

◆『自律神経の乱れ』
ストレスや更年期、外と室内の寒暖差などが原因で、自律神経が乱れて体温を調節する機能がうまくいかなくなり、体表や足の裏にほてりを生じてしまいます。

◆『内臓の冷え』
冷たい物や水分の取り過ぎで内臓が冷えてくると、体の中を守るために一定の温度を保っていた熱が、体表へと向かい徐々に逃げて行ってしまい、いちばん各臓器から離れたところにある手や足の裏が熱を帯びてしまいます。

◆『冷えの進行によるほてり』
冬などは、寒さに晒されやすい末端の手や足を、体は防衛反応により熱を集めて冷えから守ろうとします。ところが、冷えが進むことで血管が収縮して血行不良になり、本来なら心臓に戻るべき血液が足の裏に滞ってしまい、そこに熱がこもる現象を起こしてしまいます。

加えて人の体は、就寝時にその深部体温を下げようと、熱を手や足の先などの末端から体外に発散させる働きがあるのですが、上記のように、冷えて血流が悪くなり、さらに血液が滞ってしまうとなると、足の裏は異常に熱くなり、なかなか眠れなくなってしまうのです。




漢方の概念からみる「足の裏のほてり」

こうした〝足の裏のほてり″といった現象を、東洋医学では、また少し違った見立てで捉えることにより、症状の改善策を探って行きます。

漢方の言葉では、手のひらや足の裏が熱くてほてる症状を、主に「五心煩熱」と表現します。
「五心」とは手足の4つに心(胸のあたりや舌、顔などの心系統の箇所)を加えた5ヶ所のことを、「煩熱」とはその煩わしい熱のことを指しています。

人は、過労や病気や不摂生、あるいは加齢によって、体を潤したり余分な熱を冷ます働きをする血や体液が不足しがちになり、体の中の寒熱のバランスも崩れてしまいます。
そのことで血液の流れが停滞しやすい足の裏などに、偏って発生した熱を上手く冷ますことができずに、この「五心煩熱」といわれる症状が表われ出してきます。

つまり漢方の概念では、足の裏のほてりを、その殆んどが「血や体液などの栄養・滋潤物質の不足(陰虚)」が原因で起こると考えて、そのことを「陰虚体質」として捉えていきます。
そしてこの「陰虚」の状態が、どの臓器に強く起こっているのかによって、「煩熱」というほてりは、足の裏のみならず、手のひらや顔などにも同様に表れてくることが考えられます。

また、ここではさらに詳しい症状の捉え方の話は割愛させて頂きますが、足の裏のほてりに使う漢方薬には「温経湯」、「杞菊地黄丸」、「知柏地黄丸」、「三物黄芩湯」、「天王補心丸」、「加味逍遥散」、「小建中湯」などといった〝陰虚を補うこと″を目的としたもの以外にも、様々な見立てにより改善へと導く処方が、幅広い生薬の組み合わせのもと、存在しています。

ほてりが頻繁に起きる方は、一度、漢方の相談ができる薬局に尋ねてみるのもよいでしょう。


日頃から、冷え過ぎが熱を生むことをイメージしながら、冷たい物の摂取を控え、不摂生や過労、体を冷やす行動を避けて、マッサージやストレッチなどで血流を良くする事を心掛け、そのことをベースに、症状の原因をきちんと知って漢方薬を活用することで、この煩わしい足の裏のほてりは、意外とすぐに気にならなくなるかもしれません。



梅川 哲朗

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梅川 哲朗 (登録販売者・九州中医薬研究会会員・国際中医臨床薬膳師)
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