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2020.5.22 漢方薬にできること

梅川 哲朗

大賀薬局 ライフストリーム 漢方薬専門 梅川 哲朗

漢方薬にできること


みなさんは「漢方薬」といえば、どういうイメージをお持ちですか?


まだ漢方薬を体験したことがない方を中心に尋ねてみると、臭いが苦手、飲みにくい、高くて手間がかかる、本当に効くのか怪しい、即効性がなく長期間続けないとダメなどの、ややとっつきにくいといった感じの答えが返ってくる事が多いようです。

たしかに漢方薬にはそういった一面もあると思います。しかしその反面、正しく知って上手に活用することで、体の様々な不安や症状を改善することができるお薬でもあるのです。

では実際に漢方薬とはどういったお薬で、病院などで一般的に広く使われている西洋薬とはどのように違うのでしょうか?





「漢方薬」と「西洋薬」の違い


西洋薬は、診断によって病名が決まった後、その病気の症状や、それに伴う苦痛がある部位に直接アプローチをする治療を行うのに対して、漢方薬は、いま起きている症状の原因を探りながら、その人それぞれの体質や体全体の状態、さらには環境なども含めた個人差を見極めて、人が持っている自然治癒力を高めて体を整え健康を回復させようと作用します。
いわゆる漢方薬は、同じ症状や病気であっても一人一人の原因や体質に合わせた「オーダーメード」の治療薬といってもよいでしょう。

さらに漢方薬は、人それぞれの原因の根本治療を目的にすることから、将来その人に起こりうるかもしれない病気や症状を予測して、それを未然に防ぐ予防薬としての側面も持ち合せています。
そのため、普段は健康な方でも、雨や湿気の多い日の前から起こる偏頭痛を軽くしたいとか、冬の寒さや夏のクーラーで体が冷えすぎないようにしたいとか、たくさんの人の前で話す時の緊張をほぐしたいなどの、様々なシチュエーションにおいても服用することで効果を発揮してくれます。

またその一方で、漢方を使い始めてからその効果を少しも実感できていない人は、自分に本当に合ったものを飲んでいない可能性があります。漢方薬を病名だけで選んだり、人が良いと言ってたからと選んだりすると合わないケースが多いんです。
専門の病院や薬局などで、充分時間をかけて、しっかりと対面でのカウンセリングを行い、細かい違いや気づいていなかった体の状態をきちんと把握した上で、漢方薬の選択へと進むことが重要です。





「養生」があってこそ漢方薬の効果はさらに高まります。


今、世界中で蔓延している新型コロナウイルスに関しても、漢方薬は、過去に流行したスペイン風邪や同じコロナ型のMERSやSARS等にも一定の成果を上げたことで、今回もその効果が期待されています。

前回、少しお話させて頂いた漢方的な「気」の概念の中には、体内の脈管の外にある気を「衛気」と称した感染症に対する防御反応や免疫力を担うものが存在しています。この「衛気」を最も高める生薬の一つが「黄耆」です。この黄耆を中心とした処方である「黄耆建中湯」や「補中益気湯」などに、抗ウイルス・清熱解毒作用のある「金銀花」を中心とした処方の「銀翹散」をプラスして一緒に飲むことは、予防や初期の治療の一つとして効果的だと言われています。
しかしこれはあくまでも一例で、漢方的な考え方としては、その時の症状や体調に応じて、有効な西洋薬との併用も考えながら、様々な処方を考察していきます。

バランスのとれた食生活、適度な運動や入浴、充分な睡眠などの「養生」があってこそ漢方薬の効果はさらに高まります。
今、このような外出自粛などが呼びかけられている時期だからこそ、この「養生」という言葉もしっかりと意識しながら、日々生活していきたいですね。

漢方薬にはまだまだ解明されていないこともたくさんありますが、時代とともに少しずつ新たな症例や情報なども更新されてきています。

私達も日々しっかりと学んで、新しい情報を提供して参りたいと思います。

梅川 哲朗

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梅川 哲朗 (登録販売者・九州中医薬研究会会員・国際中医臨床薬膳師)
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