コラムCOLUMN

2022.5.17誰もがかかり得る「五月病」と「適応障害」

梅川 哲朗

大賀薬局 ライフストリーム 漢方薬 梅川 哲朗

0

2

誰もがかかり得る「五月病」と「適応障害」

この時期、「五月病」という言葉を耳にすることがあると思います。
最近ではテレビや雑誌等でも、たまに特集が組まれたりするなど、よく取り上げられることがある話題の一つです。




五月病とは


では「五月病」とは、どんなもののことを指していて、どんな特徴があるのでしょうか。
五月病とは、新年度の4月に、入学や入社、または部署や職場の異動などで、新しい環境への変化が起こり、気が張り詰めていた人たちが、長期の休日気分に浸るゴールデンウイークの頃を境に、その緊張の糸が切れ始めてしまい、憂うつや不安感、やる気を失くすといった状態に陥ってしまうことを指しています。

暦どおり土日や祝日に、決まって休む仕事でない人は、比較的かかりにくいと言われていますが、この長い休暇の期間に、やりたいことの予定を一気に詰め込み過ぎた人などは、その反動もあってか、このような症状に陥りやすいと言われています。

さらに5月という月は、1日の中で気温の変化が大きく、激しい寒暖差を感じてしまうこともあるため、自律神経やホルモンバランスも乱れやすく、疲れもたまりやすくなり、症状に拍車をかける環境要因が重なってしまう時期でもあります。

因みに、この五月病という言葉は、正式な病名や医学用語ではなく、日本では1960年代の半ば頃に、激しい競争の末に大学受験を終えた学生たちが、入学後しばらくして、虚脱感や抑うつ感を生じた様子を見て、使われ出したのがその語源の始まりだとされていています。

(その1ヶ月後の6月に症状があらわれた場合には「六月病」、また同様に生活環境の変化が大きな9月や1月などに、似たような症状があらわれた際には「九月病」や「一月病」という言葉が使われるケースもあります。)




類似する身近な症候群


五月病に症状が類似するものの中で、より身近に感じてしまう現象の例をあげるとしたら、
サザエさん症候群」や「ブルーマンデー症候群」といったものがあります。

こちらのほうは、名前からしてもかなりイメージがつきやすいのではないでしょうか。
サザエさん症候群」は、多くの人が休日となる日曜日の夕方に、テレビで放映されている〝サザエさん″を目にして、休日の時間も残りわずかと感じ、翌日からの会社や学校のことを考えて、憂うつや不安感、不眠や虚脱感などの体調不良を生じてしまう現象のことです。

また同様に「ブルーマンデー症候群」も、日曜の夕方辺りから〝楽しい週末が終わり仕事や学校が始まる月曜になる″といった憂うつな感情が起こり、夜はなかなか眠れなかったり、月曜の朝から無気力感や虚脱感に襲われる症状を言いあらわした言葉です。

いずれも、誰もが一度は、何となくでも感じたことのある現象ではないかと思います。
こうした「五月病」も「サザエさん症候群」も「ブルーマンデー症候群」も、その重症度は様々ですが、環境の変化などのストレス要因がもととなって起こる、「適応障害」と捉えることができます。





予防と早期回復への対策


五月病や適応障害への予防としては、また、症状からの回復への対策としてはどんなことが考えられるでしょうか。

まずは何よりも、無理のない範囲で、少しずつでも規則正しい生活になるように努めていくことが第一です。
休日の間に、乱れてしまった生活のリズムを整えることを心掛けていきましょう。
できるだけ同じ時間に起きて同じ時間に寝るようにして、十分な睡眠をとり、仮に寝不足になるようなことがあっても、寝だめはしない。また、日中は適度に体を動かす。

そして、なるべく同じ時間帯に、バランスのとれた食事の摂取に努めることで、ズレていた体内時計が戻りはじめ、メンタルを支える自律神経の乱れも徐々に整ってきます。

さらに加えて、この時期の外出時には特に、気温の変化を考慮した服装で出かけましょう。
寒暖差によるストレスや体温調節の不具合は、自立神経のバランスを崩してしまいます。

むかしから、東洋医学や日本にある言葉の中に「養生」というものがあります。
予兆を感じたら、その時は何事も無理をせず、生活習慣を整える「養生」を意識して過ごすことが大切です。

それから、症状の予防や軽減には「漢方薬」もおすすめです。
漢方や東洋医学の概念では、こうした五月病や適応障害なども含めたメンタル面の不調を、主に〝気うつ″や〝気滞″といった状態と捉え、体の中の五臓六腑における〝肝″に失調があることを念頭に置きながら考察していきます。

「柴胡」、「半夏」、「蘇葉」、「香附子」、「木香」、「釣藤鈎」、「黄連」などの生薬を中心とした漢方薬が、症状の改善や緩和によく使われています。




誰にでも起こり得る「五月病」や「適応障害」


五月病や適応障害には、内向的な人、真面目で几帳面な人、責任感が強い人、完璧主義な人などが、かかりやすい傾向にあるとよく言われています。

しかしながら、こうした症状は、ちょっとした〝環境の変化″にすぐに順応できないことがきっかけで、誰にでも起こり得る可能性があることは確かです。

もしかしたら..と感じるところがあれば、決して「頑張りが足りない、怠けようとしている気持ちの問題」だと思わずに、生活のリズムをきちんと整えながら十分な睡眠をとり、悩みを共有して話せる人を見つけ、自分なりのストレス解消法を作ることに取り組みましょう。




★カウンセリングについて★

気になる症状の改善や緩和に適した、漢方薬や健康食品を、きちんとセレクトするために、カウンセリングにはしっかりと時間をかけて対応させて頂きます。さらに症状の根本的な原因となる部分を認識するために、陰陽五行体質判定システム(税込1,000円)の活用による漢方カウンセリングも、ご希望に応じて行っております。

あなたのこれからの過ごし方が変わってくるかもしれません。

詳しくは下記の「漢方薬相談」の画面をタッチして、予約内容を一度のぞいてみて下さい
(※ネット予約に限らず、お電話でも、気軽にご予約下さいませ! TEL 092-733-7231)




福岡市中央区天神2丁目11-3 ソラリアステージビルM2F(中2階)
TEL 092-733-7231
(株) 大賀薬局ライフストリーム 漢方カウンセリング (担当) 梅川


いいね 2
0

コメント

記事についてコメントする

ニックネームとコメントを
入力してください。

ニックネームを入力してください。

コメントを入力してください。

コメントを投稿する
梅川 哲朗

ご相談は私までお声がけください!



梅川 哲朗 (登録販売者・九州中医薬研究会会員・国際中医臨床薬膳師)
所属店舗 ライフストリーム

ご相談の際は、店舗宛TEL092-733-7231までご連絡ください。
店舗の詳細はこちら



色んな症状を持ちながら診療では病気ではないと言われて悩むお客様方にお役に立ちたく、日々、中医薬診断の学びと実践に努めています。細かい症状などを伺って体質を判定し、お客様個々に合った漢方薬や市販薬の上手な活用法をご提案しております。お気軽にご相談下さいませ。

お問い合わせCONTACT