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2021.7.2すぐに喉が渇いてしまう。足の裏や手のひらがほてる。それは体の潤い不足が原因かも?

梅川 哲朗

大賀薬局 ライフストリーム 漢方薬 梅川 哲朗

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すぐに喉が渇いてしまう。足の裏や手のひらがほてる。それは体の潤い不足が原因かも?

冷たい物がすぐに飲みたくなる季節になってきましたね。
さて唐突ですが、昨年、執筆させて頂いたコラムの中で、現在までにいちばん反響があって、その内容についての詳しい問い合わせや、ご相談が多かった記事は、以下のことについて書いた2つのコラムでした。

《2020.7.1投稿》「水分をたっぷりとったのに、すぐに喉が渇いてしまうのはなぜ?」
《2020.11.15投稿》「足の裏がほてってなかなか眠れない」

以前に読んで下さった方も含め、この時期にも多い症状のひとつとして、改めてご一読なり、参考にして頂けましたら幸いです。



渇きや熱を生みやすい体質


実は、この「喉の渇き」と「足の裏のほてり」、2つの症状をどちらも感じていて、かなり気になっているという方が意外と多いんです。何らかの病気が原因で起きている場合を除き、こうした症状が、同じように頻繁にあらわれる人は、主な原因の一つに〝体の中を潤す物質が不足していること″が考えられます。このことを漢方では、「陰虚」という体の状態として捉えていきます。

「陰虚」とは、前述の足の裏のほてりに関するコラムでも、少し触れさせていただいたように、加齢や生活習慣における不摂生等が原因で、血や体液などの、体に栄養を与えて滋潤する物質が不足してしまった状態で、それにより、乾燥や熱などの症状を生じやすくなります。

陰虚の〝陰″は体を養い潤す物質、または、潤す力を、〝虚″は不足や弱りのことを指しており、陰虚はまさに「栄養・滋潤物質の不足と保持力の低下」をあらわした言葉になります。



付随してあらわれてくる症状と漢方による対処


さらに体の中の、どの臓器で陰虚状態が強いのか、あるいは進んでいるのかは、この喉の渇きと、足の裏や手のひらのほてりに、付随して起こる症状によって推測することができます。

たとえば、ごく一例を上げるとしたら、陰虚が強い臓器が「肺」なら空咳や声のかすれや夜に微熱、「心」なら不安感や不眠や物忘れや動悸、「肝」なら目の乾燥やめまいやイライラ、「腎」なら耳鳴りや足腰の弱りやだるさ、「胃腸」なら便秘や口臭や空腹感があるのに食欲がないなどの症状が、同時にあらわれてくる傾向がみられます。こうした、陰虚によって起こる症状の治療においては、まずは、体の陰の根本と言われている、「腎」の陰を補うことを中心に対処をしていきます。

そのため漢方薬では、主に腎の陰を補う生薬の〝地黄″をメインとした、「六味丸」「知柏地黄丸」「杞菊地黄丸」等の地黄丸系のものが、その処方の中心となります。

加えて、肺や心に陰虚の症状がみられれば、「滋陰降火湯」や「酸棗仁湯」や「天王補心丸」といった漢方薬などが、その治療によく用いられています。



陰虚が原因かも?と考えられる目安や特徴


では、「喉の渇き」と「足の裏のほてり」の原因が、この陰虚によるものかも?と考える際には、どんな目安や特徴があるでしょうか。ここでいくつかあげてみたいと思います。

『以前はそこまでなかったのに、年齢とともに強く感じるようになった』
人は歳を重ねるごとに、体を潤す物質が減少していく傾向にあるため、加齢が起因となって
陰虚の体質が進んだことが原因と考えられます。

『この時期に限らず、症状が年中続いている』
暑い時期の、水分の過剰摂取による内臓の冷えや、自律神経の乱れなどが原因の、この季節にいつも感じている症状ではなく、年中ずっと感じている症状であれば、陰虚が疑われます。
陰虚体質の場合は、こうした症状がなかなかすぐには治まらず、長引く傾向にあります。

『活動している日中よりも、夜のほうが症状を強く感じている』
東洋医学ではあらゆることを陰と陽に分けて考えます。明るい時間帯の昼は陽、日が沈んでいる夜は陰にあたります。そのため、陰が不足して陰虚になっている人は、夜(陰の時間)にほてりや渇きなどの症状を、より強く感じやすくなってしまいます。

『舌を見ると全体的にやや赤く、ひび割れが見られて、苔がほとんどない』
陰虚の人の「舌」の特徴としては、赤みを帯びていて、ひび割れのようなもの(裂紋)が一部にあります。やや潤いがない感じで、苔(こけ)は全く無いか、少しあるだけです。

『足の裏のほてりと同時に、手のひらのほてりもある』
症状が足の裏のほてりだけの場合だと、冷え症がひどくなった状態なども考えられますが、陰虚の状態になると、体の滋潤物質不足による〝虚熱″が生じて、足の裏のほてりと同時に、手のひらのほてりや、顔ののぼせ感なども起こり始めます。

のぼせ感は顔が赤くなるのではなく、なんとなくぼーっとしたり、耳鳴りやめまい、あるいは、口の乾きという形でもあらわれてくることがあります。

他にも、食べてもなかなか太れなくなった、肌の乾燥が目立つようになった、ドライアイや口内炎をよく起こすなど、陰虚体質の特徴と考えられる症状が数多く存在します。



陰虚体質の予防・改善のための心がけ

そして最後に、以前からお伝えしていることとも重なりますが、陰虚体質の予防や改善のために、以下のようなことを、日頃から意識して行動して頂ければ幸いです。

1.十分な睡眠。そして、陰液を損なう夜型生活の改善
体を潤す「陰液」は、主に夜の睡眠時に生成されています。十分な睡眠をとるだけでなく、できるだけ夜には早寝の習慣をつけて、夜型生活の改善を試みましょう。

2.日頃からの食生活を見直す
冷たい物のとりすぎは、体内の熱産生に支障をきたしたり、水の偏在を起こします。また、香辛料などの刺激物のとりすぎは体を乾燥させてしまいます。そして、早食いや過食などでよくお腹をこわす人は、「陰液」が減ってしまいます。こうした行動に心当たりがある人は、日頃の食生活の中での習慣を見直して、その改善に努めましょう。

さらに陰虚は、ただの水分不足ではなく、体の中の深い渇きなので、単に水分をたっぷりととれば治るというものではないことも、しっかりと認識しておいて下さい。

3.シャワーで済ませず、できるだけ湯船に浸かる
いつもシャワーで済ませてしまう人は、できるだけお風呂に入る機会を増やしましょう。
快適な温度でゆったりと湯船に浸かることにより、リラックスできる上に、全身の血流もよくなって、体を潤す栄養物質となる血液や体液なども、全身に行きわたりやすくなります。

4.ストレスをため込まない工夫と意識を
ストレスをため込んでしまうと、体の中の気の流れが滞って、余分な熱がこもりがちになりますし、自律神経のバランスも乱れて、体温を調節する機能も低下してしまいます。

軽い運動で程よく汗をかくことなど、自分なりに無理のない程度でストレスが解消できる方法を、体を動かすことに限らず何か見つけておきましょう。因みに激しい運動のやり過ぎは、働き過ぎと同様に陰液を損なうのでくれぐれもご注意を。


今までの積み重ねてきた生活習慣が、陰虚体質を招き、「喉の渇き」や「足の裏のほてり」に限らず、体に様々な原因不明の症状を起こしている引き金になっているかもしれません。

陰虚体質だという自覚が遅ければ遅いほど、改善にはかなり時間がかかってしまいます。もし、思い当たるところがあれば、早速、日頃の生活習慣や行動の改善に努めて、さらに、少しでも早く漢方薬での陰虚体質の治療に取りかかることが、これから先の、あなた自身の体調を、大きく好転させてくれるかもしれません。




★カウンセリングについて★

気になる症状の改善や緩和に適した、漢方薬や健康食品を、きちんとセレクトするために、カウンセリングにはしっかりと時間をかけて対応させて頂きます。さらに症状の根本的な原因となる部分を認識するために、陰陽五行体質判定システム(税込1,000円)の活用による漢方カウンセリングも、ご希望に応じて行っております。

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(株) 大賀薬局ライフストリーム 漢方カウンセリング (担当) 梅川


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