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2020.7.1水分をたっぷりとったのに、すぐに喉が渇いてしまうのはなぜ?

梅川 哲朗

大賀薬局 ライフストリーム 漢方薬梅川 哲朗

水分をたっぷりとったのに、すぐに喉が渇いてしまうのはなぜ?


喉の渇きが起こってくる原因

いよいよ夏本番に向かって、気温が30度を超す日もだんだんと増えてきました。
昼夜を問わず熱中症などの脱水症状を防ぐためにも、こまめな水分補給がとても重要な時期になってきましたね。

そんな中、日頃から常に意識して、十分に水分をとっているにもかかわらず、「飲んでも飲んでもまたすぐに喉が渇いてしまう....」と感じるようなことはありませんか。

糖尿病や甲状腺などの持病や薬の副作用等が疑われる人、激しいスポーツをしている最中の人などを除き、こうした喉の渇きが起こってくる原因としては、摂取した水分が、体全体にきちんと行き渡って潤すことができず、偏った部分に集まり滞ってしまった「水の偏在」によるものだということが考えられます。





水の偏在とは?

では、なぜこうした水の偏在が体内に発生して、喉の渇きへと繋がっていくのでしょうか。

暑い季節に喉が渇いて、潤すための冷たい物が欲しくなり、冷えた水分をたっぷりととってしまうと、体の中ではまず、胃が冷えすぎてその機能を大きく低下させてしまいます。

そのため、摂取した水分は、胃腸で十分な消化吸収ができずに、全身への巡りが悪くなり滞りがちになってしまい、胃や腸だと胃内停水や下痢になったり、足だと太くなってむくんだり、頭だと偏頭痛の原因になったり、舌だとぼてっとして歯形がついたりと、様々な部位の症状となり、体の中に水の偏りが生じたことをあらわしてきます。

そしてこのような水の偏在といった現象が、体の必要な部分に必要な水を行き渡らせることができずに、結果的に、飲んでも飲んでも喉の渇きを繰り返してしまうという悪循環へと繋がってしまったのです。





対処法や改善方法

そこで、この具体的な対処法や改善方法としては次のようなことが挙げられます。
まずは前述のように冷たい水分を一気に飲まないこと、そしてとりすぎないことです。
繰り返しになりますが、冷えは、胃の代謝機能の低下を招き体内の水の偏りを起こします。
さらに一気にとった水分は、その冷えに最も弱い腎臓にも大きな負担をかけて、尿を作る能力も追いつかなくなり、体に水が溜まりやすくなって各所にむくみを生んでしまいます。また過剰な水分摂取は血液中の塩分濃度を下げてしまい、低ナトリウム血症さえ起こしかねないのです。
ゆえに水分補給を冷たい物で行う際には、一度口に含んで、口の中をゆっくりと潤しながら、こまめに少しずつ分けてとることをお薦めします。





季節や気温に応じた適度な汗をかくこと

次に、体を冷やし過ぎずに季節や気温に応じた適度な汗をかくことです。
特に冷房が効いた部屋で、汗もかかないのに冷たい水分をとりすぎることには、内臓全体の機能が落ちて、溜まった水の排出がうまくいかなくなるので注意が必要です。
そして適度な汗をかくために、皮膚疾患の悪化などでふだん汗をかけない人も含めて、日頃からお風呂に入る習慣をつけることもよいかと思います。
全身を温め循環を良くすることで余分な水の排出を促して、水の偏在を解消してくれます。
一見、暑さで喉が渇いているのに冷やさず汗をかくという矛盾した行為のように感じるかもしれませんが、体の自然な代謝機能を助けて水の偏在をなくしていくことで、喉の渇きの予防へと繋がることになるのです。






漢方薬を活用

それから上手に漢方薬を活用することも、ひとつの対処法として考えることができます。
この体の中の水の偏在、いわゆる「水滞」「水毒」の改善に用いる代表的な漢方薬のひとつに「五苓散」という処方があります。
五苓散は、体内の余剰な水分を血中に引き込んで尿などで外に排出し、不足している部分に水を巡らせる「利水薬」というお薬なので、喉の渇きをはじめ、むくみなどの水の偏りによって起こる様々な症状や、熱中症の予防や改善などにも効果を発揮してくれます。





適度な水分補給を

人のからだにとって、水分は多すぎても少なすぎてもダメなものです。

よくテレビや雑誌などの一部だけの情報を切り取って、血液をサラサラにしたり新陳代謝を上げたり脱水症状の予防のために1日何リットルものお水を意識してとっているとか、体重何キロあたりにこれだけの水分摂取が必要だから毎日たくさんとっているという話を耳にすることがありますが、人は体質によってその代謝量もバラバラなので、病院の先生などからのきちんとした指示でない限り、喉の渇きもないのに、1日にこれだけの量はとると決めて、毎日たくさんお水を飲むことなどは、ちょっと危険な気がします。

これからの長く蒸し暑い夏の様々な場面において、喉の渇きを感じたら、少しずつこまめに分けて水分をにとることを心掛け、また、とりすぎによる体からのサインにも十分気をつけながら、上手な熱中症対策を行ってくださいね。

梅川 哲朗

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梅川 哲朗 (登録販売者・九州中医薬研究会会員・国際中医臨床薬膳師)
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