コラムCOLUMN

2020.10.15 秋に気をつけたい病気や症状とその対策について

梅川 哲朗

大賀薬局 ライフストリーム 漢方薬 梅川 哲朗

秋に気をつけたい病気や症状とその対策について

秋になって昼間の暑さも一段落して、心地よい晴天の日も増え、何をするにも過ごしやすく、いい時期になってきました。
「スポーツの秋」や「行楽の秋」、「食欲の秋」、「芸術の秋」などと言われるこの季節を、コロナ対策にも十分に気をつけながら、楽しく有意義に過ごしたいですね。

そのためには秋特有の自然環境の変化にきちんと対応しながら、体調を崩さずにしっかりと乗り切るための〝意識や備え″を、常日頃から心掛けておきたいところです。




乾燥により引き起こる病気


秋という季節は、気温の低下とともに湿度も低くなってきて、空気がとても乾燥してきます。

そのため、体の中で空気を取り込む役目を担う「肺」を中心とした鼻・口・喉などの、いちばん最初に外気に接する肺系統が、この乾燥により潤いを失ってしまい、さらには冷気も重なって、風邪やアレルギー性の鼻炎、気管支炎、喘息といった病気にかかりやすくなります。

また、この「肺」と経絡(栄養物質と代謝物質の通り道)を通し密接に繋がっている「皮膚」も大きく影響を受けます。
鼻や口と同様に最初に外気に接する「皮膚」は、夏の暑い時期には毛穴を開き、皮膚呼吸や汗で、老廃物を代謝したり肌を潤したりしていますが、秋に入って寒くなると毛穴がキュッと閉じて、外気による外からと、肺系統などによる体内からの、両方の乾燥をうけて潤いを損ない、カサカサの肌荒れ、皮膚炎、じんましん、老人性の掻痒症等の症状を起こします。

そして、五臓六腑の中で「肺」と表裏の関係にあり、経絡でも密接に繋がっている「大腸」もまた、潤いが不足がちになり、便秘、痔、大腸炎などの症状が、普段に比べ増えてきます。

こうした乾燥により、「肺」やそれに付随した器官の働きが弱まると、漢方でいうところの体の中の「気・血・水」といったエネルギーや栄養物質の巡りが滞ってしまい、結果的に免疫力や抵抗力の低下を起こし、先に述べた風邪はもちろんのこと、インフルエンザやコロナのウイルスにも罹患しやすくなってしまいます。





秋に起こりやすい病気や症状の予防法

以上のような、秋に起こりやすい病気や症状の予防・対策としては

1. 軽いウォーキングなどの心地よい程度に継続できる運動や、日々、適度に体を動かすことを心掛ける(基礎代謝を上げ、血流を良くして免疫力を維持する。そして肺機能も高める。しかし、運動もやり過ぎは逆効果。スポーツの秋も、体力に応じてほどほどに。)

2. お風呂に入る習慣をつける(適度な温度で、リラックスしてゆっくり入ることにより、上記の軽い運動と同様に、血流を良くして免疫力や内臓機能を高めてくれる。また秋に多いメンタル疾患の原因となる自律神経のバランスも整えてくれる)

3. 外出時の気温に合わせた衣服の調節(秋の風による冷えや乾燥から体を守る)

4. 睡眠の取り過ぎに気をつける(長時間横になっていると深い呼吸がしづらくなり、肺に負担がかかる。できるだけ早寝早起きで体のリズムを整える)

5. 梨・ぶどう・柿といった果物や、きのこ・れんこん・芋類といった野菜など、この秋の季節に旬のものを食べて肺を潤す

などの項目が、肺や体全体を冷えや乾燥から守ることを中心にあげられます。

中でも5番目の食養生に関しては、昔から「医食同源」や「薬食同源」といった言葉があるように、この食欲の秋を元気に乗り切るための、欠かせない重要な対策の1つです。

特に旬の果物である「梨」はおすすめの食材で、肺を潤し全身の水分を補い、咳や痰、喉の痛みをやわらげ、利尿作用でむくみも解消します。(ただ食べ過ぎは体を冷やすので禁物)



さらにおすすめなのが、薬膳の世界でも有名な、スーパーフードの「白きくらげ」です。
水分だけでは補うことのできない深い渇きを癒して、呼吸器系を潤しながら肺や腎の働きを助け、肌にもハリと潤いを与え、乾燥によるシワの予防もしてくれます。

「白きくらげ」は、最近では、生薬を販売している漢方薬局や中国食材のお店だけでなく、一部のスーパーにも乾物の状態で出回っていて、わりと簡単に手に入れることができます。
(因みに同じきくらげでも、「黒きくらげ」は血や栄養物質を補う補血作用に優れているのに対して、「白きくらげ」は体を潤す補陰作用に優れていて、料理ではデザートに使う方が向いていると言われています)

他にも腸内細菌を整える発酵食品の「味噌汁」なども、少し手間がかかるかもしれませんが、旬の野菜を具に入れて楽しみながら、1日の食事の中に取り入れてみるのもよいでしょう。


それでも、乾燥した秋に多い病気や症状などが現れはじめたら、肺を潤す麦門冬や天門冬などの生薬を主薬とした「麦門冬湯」や「滋陰降火湯」、腸を潤す「麻子仁丸」や「潤腸湯」、肌を潤す「当帰飲子」や「温経湯」といった漢方薬を、きちんとした診断のもとで服用して、早めの対応を行うことが良策だと考えます。

食欲にまかせて食べ過ぎず、できるだけ過度な運動は控えて、しっかりと養生することも心掛けながら、この秋という季節を楽しんで下さいね。

梅川 哲朗

ご相談は私までお声がけください!



梅川 哲朗 (登録販売者・九州中医薬研究会会員・国際中医臨床薬膳師)
所属店舗 ライフストリーム

ご相談の際は、店舗宛TEL092-733-7231までご連絡ください。
店舗の詳細はこちら



色んな症状を持ちながら診療では病気ではないと言われて悩むお客様方にお役に立ちたく、日々、中医薬診断の学びと実践に努めています。細かい症状などを伺って体質を判定し、お客様個々に合った漢方薬や市販薬の上手な活用法をご提案しております。お気軽にご相談下さいませ。

お問い合わせCONTACT