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2025.12.19食べるもの全てから、体は作られている

梅川 哲朗

大賀薬局 博多口店 漢方薬 梅川 哲朗

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食べるもの全てから、体は作られている

先月、先々月と、九州各地の薬局の先生方が参加されていた、製薬会社と健康食品の会社の、2つの勉強会に参加する機会がありました。

それぞれに、異なる特徴を持つ商品の勉強会だったのですが、偶然にも、その話の要点は、どちらも「人の体は全て、食べた物から作られている」といった内容でした。

皆さんも重々承知のことかと思いますが、私たちの体は、全て食べた物からできています。







食べ物が体に果たす役割

食べ物が体に対して果たす役割は、主に、以下の4つのようなことに分けられます。

一つは、体の中で絶えず入れ替わっている「新しい細胞」を作る材料になっていること。

二つ目は、体の中に熱を生み出し、体温を一定に保ってくれること。

三つ目は、体を動かし、頭を働かせるための、エネルギーの源になること。

そして、四つ目は、血液のもととなり白血球やリンパ球などを稼働させて、病気やストレスに対する免疫力・抵抗力を発揮させることです。


健康な体を維持するためには、バランスよく適量の栄養素をとることが大切です。







「こ食」が体に及ぼす影響

また、この2つ勉強会の中では、どちらも「こ食」という言葉が話題に上りました。

〝体をつくる食″や、食育について考える際に、今の日本の食事事情における「こ食」といった状況は、一つの大きな課題として定義されているようです。

「こ食」の問題は、頭の「こ」の文字を、いくつかの漢字に変換することで、それぞれ以下のような意味合いに分類されます。

◆『孤食』
文字通り、家族が不在で、一人で食べる孤独な食事のこと。人と一緒に食べる喜びや、何をどのくらい食べたかなどの意識も薄くなり、食に対する関心も薄れがちになる。

◆『子食』
親と一緒ではなく、兄弟や友達など、子どもだけで食事をとること。食べたいものを選びやすくなることから、偏食になり、食べ方のマナーなども身につかず、親子のコミュニケーションも減少させてしまう。

◆『個食』
家族で同じテーブルを囲んで食べているのに、それぞれが、バラバラに違うものを食べていること。食べものの好き嫌いが増えて、美味しさを共感することや、作った人の苦労を気遣う感覚も減っていき、協調性の感覚も損なわれていく可能性がある。

◆『固食』
同じものばかりを食べ、決まったもの、好きなものしか食べないこと。栄養のバランスが偏り、肥満などにもつながりやすくなり、性格的にも自己中心的な部分があらわれやすくなる。

◆『小食』
1回の食事の量が少ないこと。日頃から食事の時には、少ししか食べていなかったり、ダイエットのために、意図的に食事の量を減らしたりしている状態のこと。エネルギーを生み出す栄養素が足りなくて、気力や体力の低下につながってしまうことがある。

◆『粉食』
パンや麺類など、粉から作られたものばかり食べていること。カロリーも高く、栄養も偏りがちになり、腹持ちも悪いためについ食べ過ぎてしまい、柔らかいものが多いため噛む力も弱りやすくなってしまう。

◆『濃食』
濃い味付けのものばかりを食べていること。塩分や糖分、脂肪分などの過剰摂取を起こしやすく、生活習慣病の発症リスクを高めてしまい、味覚の異常や低下なども起こしてしまう。


この他にも、外食ばかりで加工品の摂取が増え、栄養も偏りがちになる「戸食」や、特に朝などに食欲がなく、食事を抜いて栄養不足や摂食障害を起こしやすくなる「虚食」といった表現などもあり、「こ食」には、こうした様々な種類のものがあげられています。

人にはそれぞれの生活環境や、家庭の事情などがあるため、決して全てを否定的に捉えてはいけませんが、食事が体に及ぼす影響を再認識する意味でも、「こ食」の問題について知っておくことは、改めて大事なことだと考えます。







健康への意識は、まず食事の意識から

食事は体だけでなく、心の健康にも大きな影響を与えます。

食への養生が、あまりストイックになり過ぎても、心身ともに健康な状態は維持できません。

食べることが大好きで、それが楽しみの一つだという人にとっては、時には、好きなものをたくさん食べて、幸せな気分になることが、日頃の精神的なストレスの解消にもつながり、大きなエネルギーの源になることもあります。


いま現在や、これからの健康な体づくりのことを考えて、すぐに食生活を変えていくことは、決して容易なことではありません。

それでも、時々は何かの機会に、今の自分の食生活を振り返り、偏りがあれば、バランスよく野菜中心の日を増やしてみたり、「こ食」があれば、少しずつその改善に努めていくことなどが、無理のない健康維持への取り組みの第一歩になるものと思われます。







胃腸は整っていますか?

また、食事には十分に気を配りながら生活をしていても、なかなか不調がよくならない時は、胃腸の働きが弱っていることも考えられます。

せっかくの食養生も、食事の消化・吸収をして全身に運ぶ、胃腸や消化器系の働きが弱っていれば、なかなかその効果を発揮することができません。

多忙な毎日であっても、胃腸を休めて、整えるために、なるべく就寝の3時間前までには、食事を済ませるようにするだけでも、翌朝の体調はずいぶんと違って感じられるはずです。

東洋医学や漢方では、胃や消化器系は「脾」という概念で考えられ、消化や吸収だけでなく、気力やエネルギーを生み出し、それをくまなく体に巡らせる臓器だと捉えられています。

胃腸は食事から、日々の元気を作り出す臓器でもあります。


「医食同源」や「薬食同源」、あるいは、「食養生」といった言葉を、皆さんも一度は耳にしたことがあるかと思います。

話題のサプリや健康食品、医薬品などで、日々の健康維持をはかることも大切なことですが、
ちょつとした不調や、将来への体調の不安を感じているのなら、まずは、何よりも今の食生活についてから、しっかりと考えていくべきです。

食べるもの全てから、体は作られています。




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(株) 大賀薬局博多口店  漢方カウンセリング (担当) 梅川

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