コラムCOLUMN

2025.5.26朝方や夜中に何度もトイレに起きてしまう。頻尿の悩みにできる対策は

梅川 哲朗

大賀薬局 ライフストリーム 漢方薬 梅川 哲朗

0

1

朝方や夜中に何度もトイレに起きてしまう。頻尿の悩みにできる対策は

夜中に何度かトイレに起きてしまうのは、年のせいだから仕方がないと、半ば諦めている方も多いのではないでしょうか。
しかしそのことで、頻繁に目が覚めるようになり、なかなかぐっすり眠ることができなくなると、日中の生活にも支障をきたし、困ってしまいますよね。

夜に限らず、日中も含めた「頻尿」の悩みに関しては、人それぞれに、きっかけとなる異なる原因が考察され、またそれは、多岐にわたります。

病院の検査等で、膀胱や腎臓、あるいは前立腺や子宮といった臓器などに、病気や器質的な異常が見られない限り、おしっこが近いという「頻尿」の悩みには、それなりの対策ができる部分もあります。

以下にはよくある症例とその原因、そして対策についていくつかあげてみたいと思います。



夜の頻尿と考えられる原因

◆『寝てる時に数回、尿意で目が覚める』
一般的には、ほぼ毎日、夜中に2回以上起きておしっこに行く場合を「夜間頻尿」といい、50代以降の半分以上にその傾向があると言われています。

また、1日の総尿量うちで、寝てからの尿量が、3分の1以上を占める場合を「夜間多尿」といい、夜間の頻尿の8割以上がこれに該当すると考えられています。

冒頭にも述べたように、人は加齢により、膀胱の柔軟性や排尿機能全般に衰えが生じるため、特に就寝中などに、頻尿が起こりやすい部分もありますが、それ以外にも、頻尿には、いくつかの原因が考えられることを、その対策として知っておく必要があります。

主に夜間に頻尿や多尿を起こす原因には、次のようなことがあげられます。

「抗利尿ホルモンの減少」…夜に増えて体の水分を調節し、尿を減らすホルモンの減少。
「下半身などのむくみ」…横になると、むくんだ水が血管に戻り、尿になり膀胱に溜まる。
「睡眠障害」…睡眠が浅く目が覚めたのに、尿意だと勘違いして、その都度トイレに行く。
「利尿作用のある飲み物の摂取」…コーヒー等のカフェイン飲料や、お酒などをよく飲む。

➀は、本来、睡眠時に多く出て尿量を調節する「抗利尿ホルモン」が、少なくなってしまったことにより、夜間に作られる尿量が増えて、頻尿が起きたことが考えられます。

もちろん、加齢による機能の低下もありますが、できるだけホルモンバランスを崩さぬよう、規則正しい生活を維持していくことが大切です。

➁の場合は、立ち仕事などで血流が悪くなり、血管から漏れ出た水分でむくんだ足のまま横になってしまうと、再びその水分が血管に戻ってしまうので、体は増えた水分を減らすために尿をつくり、それが膀胱に溜まることで夜間に頻尿が起きやすくなるというケースです。

おやすみ前に、下半身を中心としたマッサージやストレッチ、あるいは入浴などで、むくみをとるように心掛けるとよいでしょう。
それから、むくみの改善や心臓からの循環機能をサポートしてくれる漢方薬を使ってみることもおすすめです。

➂は、トイレに行きたくて目が覚めたのではなく、夜中に目が覚めたので、そこまで尿意がないにもかかわらず、トイレに行っている可能性があるというケースです。

また、人は眠りが浅く覚醒しやすいと、尿意も感じやすくなる傾向があります。
まずは、睡眠障害や、眠りの質の改善から取り組んでいって下さい。

➃の場合は、夜にこうした利尿作用あるものや、膀胱に刺激作用があるものを、やや多く取り過ぎている可能性が考えられます。
嗜好物であっても、なるべく夜間は控えることで、尿の回数も変わってきます。

特に、朝方に何度もトイレに起きてしまう人は、就寝前の時間帯のアルコール類の飲酒や、お茶やコーヒー等のカフェインの摂取を控えることで、好転するケースも多く見られます。
中でもカフェインの利尿作用は3、4時間以上経ってあらわれるものも多いため、寝ている間にため込んだ余分な水分と合わせ、朝方に頻尿を繰り返す原因となります。

カリウムやナトリウム等を多く含む飲食物の摂取も含め、お酒やコーヒーなどは、なるべく就寝の3時間くらい前までに、とどめておきましょう。





昼夜を問わず、よくある頻尿のケースとその原因

◆『緊張したり、不安になるとトイレが近くなる』
たくさんの人の前での発表や、大事な試験などで、緊張や不安が続いたりすると、急に尿意が起きてトイレが近くなるような経験をした方も多いかと思います。

こうした現象は「心因性頻尿」と称され、極度の緊張や強いストレスが、脳の排尿制御機能に影響を与えたり、膀胱の神経センサーを過敏に反応させてしまうことなどが、急な尿意を起こす原因として推測されています。

器質的に異常がない一過性のものが殆どなので、あまり心配はいりませんが、ちょっとした場面でも頻繁に起こるようなら、一度、きちんと現状を医療機関に相談して、アドバイスをもらったり、自分自身でも日頃から、リラックスできる時間を作るように努めたり、緊張や不安を和らげる方法を見つけておくとよいでしょう。

◆『移動時などマメに、前もってトイレに行く習慣がある』
移動中などにトイレに行きたくなると心配だから、あまり尿意がなくても、いつも前もって、こまめにトイレに行く習慣がある人は、まだ十分に尿が膀胱にたまらないうちに、排尿の回数が増えてしまう「習慣性頻尿」になっている可能性が考えられます。

少し上記の心因性頻尿と重なる部分もありますが、いつもすぐ行けるトイレの場所を把握しておき、膀胱を鍛える意味でも、もう少しだけ長く尿意を我慢する行動を心掛けましょう。

◆『体が冷えるとトイレに行きたくなる』
寒さでトイレが近くなる理由としては、寒冷の刺激が、膀胱の筋肉を収縮させて尿を溜める容量を小さくしてしまうことや、尿意を起こす神経を高ぶらせてしまうこと、また、寒さで汗がかきにくくなり、余分な水分の排出が尿の方に回ってしまうことなどが考察されます。

暑い時期でも、冷房の効き過ぎによる外側からの冷えと、冷たい物の取り過ぎによる中からの冷えに、十分留意して対策をとりましょう。

その他にも、服用中の薬やサプリメントによる副作用や、夜と同じく起きてる間も、多量の水分やカフェイン類の取り過ぎなどが原因で、頻尿を起こしている場合があります。

因みに、水分を取るとすぐにトイレに行きたくなるという人もいますが、排尿までには体内の様々な過程があるため、それは、その取った水分がすぐにおしっこになるのではなく、流水を見ただけで尿意がおこる人などと同じく、水分を取ることで、時に排尿を連想した脳が、また違った過程で尿意を誘発するのではないかと言われています。








漢方薬局などに相談して頻尿改善のヒントをもらう

よく、「頻尿には○○○」といった、漢方薬などのチラシやコマーシャルを目にすることがありますが、頻尿には様々な原因があるため、一つの薬や、一つの対策だけで、改善がみられたという話はごく稀で、むしろ、その薬を飲んでもあまり効果が分からないという声のなどを、よく耳にすることがあります。

持病や器質的な原因がない限り、頻尿が気になる方は、問診を中心にその様々な原因をひも解いて、それぞれの体質に見合う漢方薬の提案や、生活習慣でのアドバイスを行ってくれる、漢方薬局などに、一度相談してみるのもよいでしょう。

漢方薬の中には、前立腺肥大や子宮筋腫等の、病気による尿道圧迫で起こる頻尿においても、病気自体は治せなくても、それを柔らかくして排尿状態を緩和するものもあります。

専門家の意見を参考に、生活習慣の改善とともに、上手に漢方薬を活用してみるのも、頻尿対策の一つの手だと思われます。


夜は何度も尿意で起こされることなく、少しでもぐっすり眠りたいものですね。




★カウンセリングについて★

気になる症状の改善や緩和に適した、漢方薬や健康食品を、きちんとセレクトするために、カウンセリングにはしっかりと時間をかけて対応させて頂きます。
さらに症状の根本的な原因となる部分を認識するために、陰陽五行体質判定システム(税込1,000円)の活用による漢方カウンセリングも、ご希望に応じて行っております。

あなたのこれからの過ごし方が変わってくるかもしれません。

詳しくは下記の「漢方薬相談」の画面をタッチして、予約内容を一度のぞいてみて下さい。
(※ネット予約に限らず、お電話でも、気軽にご予約下さいませ! TEL 092-733-7231)
                  ⇓

福岡市中央区天神2丁目11-3 ソラリアステージビルM2F(中2階)
TEL 092-733-7231
(株) 大賀薬局ライフストリーム  漢方カウンセリング (担当) 梅川

いいね 1
0

コメント

記事についてコメントする

ニックネームとコメントを
入力してください。

ニックネームを入力してください。

コメントを入力してください。

コメントを投稿する
梅川 哲朗

ご相談は私までお声がけください!



梅川 哲朗 (登録販売者・九州中医薬研究会会員・国際中医臨床薬膳師)
所属店舗 ライフストリーム

ご相談の際は、店舗宛TEL092-733-7231までご連絡ください。
店舗の詳細はこちら



色んな症状を持ちながら診療では病気ではないと言われて悩むお客様方にお役に立ちたく、日々、中医薬診断の学びと実践に努めています。細かい症状などを伺って体質を判定し、お客様個々に合った漢方薬や市販薬の上手な活用法をご提案しております。お気軽にご相談下さいませ。

お問い合わせCONTACT