コラムCOLUMN

2022.12.15寝ている時に足がつる。考えられる原因とその対策について

梅川 哲朗

大賀薬局 ライフストリーム 漢方薬 梅川 哲朗

0

68

寝ている時に足がつる。考えられる原因とその対策について


寝ている時の夜中や明け方などに、急に足がつって、あまりの痛さで目が覚めてしまったり、症状が繰り返し起こるために、なかなか眠れなかったりすることはありませんか?

むかし、足のふくらはぎの部分を〝腓(こむら)″と呼んでいたことから、「こむら返り」とも言われているこの症状は、医療の世界では「有痛性筋けいれん」や「筋クランプ」といった言葉で表現されています。

これは、自分の意識とは関係のないところで、突然に筋肉の収縮が起こり、痛みを伴い凝り固まって、元に戻らなくなった状態をあらわしており、ふくらはぎに限らず太ももや足の先などにもよく起こります。




考えられる主な原因


夜中のこむら返りなどの、足がつる原因には、主に、以下のようなことが考えられます。

1.睡眠時の寝汗等、体からの脱水現象によって、筋肉や神経の働きや情報伝達を調節する、ミネラルの電解質(イオン)バランスが崩れてしまった。

2.日中の過労や激しい運動をしたために起こった、筋肉の疲労と老廃物の蓄積による血流の低下。

3.加齢による筋肉量の減少や、足の筋肉内の細胞が担う、神経の伝達機能の衰え。

4.底冷えなどの足元からの冷えの侵入による、筋肉の凝り固まりや血行不良。

5.体が硬く、柔軟性の低下がみられる。(やや動脈硬化の傾向がある人なども)

6.日頃の姿勢の悪さや体の歪みからくる神経の圧迫。(正座ですぐ足がつる人も可能性大)



その他にも、体調を崩して下痢が続いている時なども、軽い脱水症状が起こっているため、1.と同様にイオンバランスの乱れが原因で、足がつりやすくなる場合があります。





取り組んでみるとよい予防と対策



上記のような、足のつりを起こす可能性がある様々な原因を考慮の上、意識的に取り組んでみるとよい、予防法や対策がいくつかあります。
◆寝る前に、つりやすいふくらはぎ等の伸縮を中心に、自分なりのストレッチを行う。

◆日頃から、ウォーキングなどの体力に応じた適度な運動を心掛けて、筋肉量の低下を防ぐ。
 (※ハードな運動や長時間の運動は、反って足がつりやすく、逆効果となるので要注意を)

◆夜はしっかり湯船につかるなど、下半身を芯から温めて、筋肉をほぐし血流を促すことを心がけてから就寝する。また特に寒い日は、レッグウォーマーなどで対策をとるのもよい。

◆ナトリウム等のミネラルが補給できるスポーツドリンク類を飲んでから寝る。但し、取り過ぎると冷えやむくみを起こすので適温適量で。

◆普段の食事に偏りがないかを見直して、豆腐や肉や乳製品などの、筋肉の働きに関与するミネラルやビタミン類をバランスよく積極的にとる。

また、つってしまった時の対策としては、ふくらはぎなら足の指を徐々に手前に引き寄せる
など、カラダの力を抜いて、つった部分の筋肉をあせらずゆっくりと伸ばしていくとよいで
しょう。あわてて伸ばすと筋を痛めてしまい、翌日まで違和感が続くこともあります。

そして、しばらくして痛みが落ち着いてから、少しずつ曲げ伸ばしをしてみたり、やさしく
マッサージをしてみましょう。





漢方薬では芍薬甘草湯が有名だが


それから、漢方薬の中にも、急激に起こる足のつりの予防と対策に有効な「芍薬甘草湯」という有名な処方があります。

漢方薬は、生薬の組み合わせの数が少ないほど、シャープに効果を発揮すると言われており、「芍薬甘草湯」は、配合成分の〝芍薬″と〝甘草″の2剤の組成により、けいれんを起こしている筋肉の部分に、不足している栄養物質を届け、硬直を緩め、痛みを静めてくれます。

ただ、甘草の配合量もかなり多いため、常用するとむくみ、動悸、血圧上昇などの副作用が起こりやすく、漫然と服用することはおすすめできません。
特に、よく「ゴルフの時に足がつるのでいつも飲んでいる」などと言われる中高年の方々は、血圧のことや、他の服用中の薬との飲み合わせも考慮の上、常用を控えなければなりません。

そして、この芍薬甘草湯を飲んでいる時は症状が治まっているけれど、飲まないと起こる、あるいは、飲んでもあまり効果が感じられないという方は、根本的な原因を見極めた漢方薬の選択が重要になります。

たとえば、普段から筋肉痛や関節痛があり血流も悪い状態なら「疎経活血湯」、加齢による筋肉の減少や下半身の筋力低下を感じていれば「牛車腎気丸」、体が芯から冷えやすい傾向があれば「桂枝加苓朮附湯」や「真武湯」等といった漢方薬が功を奏するものと思われます。




それでも繰り返し起こる時は


もし、色々と対策をとってみても、足のつりが起こる回数が減らなかったり、症状が起きた際に、何かいつもと違うような感覚をおぼえるようなことがあれば、ヘルニアや下肢静脈瘤、糖尿病、甲状腺などの病気が関係している可能性も十分に考えられます。

そんな時は、ぜひ早めに医療機関に行って、しっかりと診断をしてもらいましょう。




★カウンセリングについて★


気になる症状の改善や緩和に適した、漢方薬や健康食品を、きちんとセレクトするために、カウンセリングにはしっかりと時間をかけて対応させて頂きます。
さらに症状の根本的な原因となる部分を認識するために、陰陽五行体質判定システム(税込1,000円)の活用による漢方カウンセリングも、ご希望に応じて行っております。

あなたのこれからの過ごし方が変わってくるかもしれません。







詳しくは下記の「漢方薬相談」の画面をタッチして、予約内容を一度のぞいてみて下さい。
(※ネット予約に限らず、お電話でも、気軽にご予約下さいませ! TEL 092-733-7231)
                  ⇓

福岡市中央区天神2丁目11-3 ソラリアステージビルM2F(中2階)
TEL 092-733-7231
(株) 大賀薬局ライフストリーム  漢方カウンセリング (担当) 梅川


いいね 68
0

コメント

記事についてコメントする

ニックネームとコメントを
入力してください。

ニックネームを入力してください。

コメントを入力してください。

コメントを投稿する
梅川 哲朗

ご相談は私までお声がけください!



梅川 哲朗 (登録販売者・九州中医薬研究会会員・国際中医臨床薬膳師)
所属店舗 ライフストリーム

ご相談の際は、店舗宛TEL092-733-7231までご連絡ください。
店舗の詳細はこちら



色んな症状を持ちながら診療では病気ではないと言われて悩むお客様方にお役に立ちたく、日々、中医薬診断の学びと実践に努めています。細かい症状などを伺って体質を判定し、お客様個々に合った漢方薬や市販薬の上手な活用法をご提案しております。お気軽にご相談下さいませ。

お問い合わせCONTACT