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2020.9.15頭痛・肩こり・腰痛・関節痛、様々な「痛み」の原因と対処法

梅川 哲朗

大賀薬局 ライフストリーム 漢方薬梅川 哲朗

頭痛・肩こり・腰痛・関節痛、様々な「痛み」の原因と対処法

近年、色んな機関による国民の健康調査において、毎年のように、体に感じる不調や悩みのベスト3の中に入ってくるのが「頭痛」「肩こり」「腰痛」といった症状です。

この中の肩こりの症状も、頻繁に不快な肩痛へと変化することから、私たちの普段の生活で最も多い健康上の悩みは、殆どが「痛み」によるものだということが、こうしたデータ上から分かってきます。

他にも痛みには、関節痛、神経痛、外傷痛、生理痛、腹痛、歯痛など様々なものがあります。





「痛み」とは?

「痛み」はそもそも、体の何らかの異常や病気を知らせる警告信号であり、危険を察知して身を守るための生命活動に欠かせない役割を果たしています。例えば、釘などをうっかり踏んでしまった時、痛みのシグナルによる体の逃避反射のおかげで、私たちは危険からさっと飛び退いて、それ以上に深く刺さるのを防ぐことができます。

また痛みは、医学用語では「疼痛」と言われ、大きく分けて、関節の変形や外傷や火傷などの体に危険を伝える痛みや炎症などで起こる「侵害受容性疼痛」と、見た目に傷や炎症はないが神経が損傷したことで起こる「神経障害性疼痛」の2つに分類されるのですが、感情やストレスなどの心理的要因によって起こる心因性疼痛を含めた原因がはっきりしないものもたくさん存在しています。






「痛み」の治療

疼痛の治療としては主に、発痛誘発物質を抑制して痛みを和らげる非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)、ステロイド剤、抗うつ剤、神経ブロック注射などが、痛みの状態や症状に応じて効果的に投与されています。

そして痛みに対する治療は、早ければ早いほど効果的で、遅くなると慢性化したり、難治性の疼痛へと転化してしまうこともあります。痛みは急性期を過ぎると鎮痛剤では対応しきれなくなるので、決して我慢せずに早めの対応が重要です。言うまでもなく、今までに経験したことがないような急激な胸の痛みや頭痛、しびれやふらつきを伴う頭痛を感じることがあれば、心筋梗塞や脳出血や脳腫瘍といった重大な病気の可能性がありますので、早急な医療機関の受診が必要となります。

こうした痛みの原因を、凝りや痺れも含めて、漢方医学では、腰痛・神経痛・関節痛などの運動器の痛みを中心に「不通則痛」と「不栄則痛」といった2つの概念で捉えていきます。

1.「不通則痛」とは、通じなければ痛むという意味で、体内を巡っているエネルギー・血液・体液などの物質の流れが何らかの原因によって妨げられると、その部分とその先に痛みが起こることを指しています。冷えや湿気に起因することが多く、痛みが激しくなることも多いですが、まれに温まると痛む人もいます。

2.「不栄則痛」とは、栄養が足りなくて痛むという意味で、体内を巡っているエネルギー・血液・体液などの物質が不足、または消耗して起きている痛みのことを指しています。さほど激しくないですがシクシク痛むような、やや慢性化した感じのものが多く、中高年の方などは加齢とともに、ほぼ、こちらの症状が多くみられます。






漢方薬での「痛み」の治療

漢方薬ではこれらの考えを踏まえた上で、痛みに関する治療において

・冷えに起因するものならば「桂枝加苓朮附湯」や「麻黄附子細辛湯」
・温まると痛んで腫れや炎症があれば「越婢加朮湯」
・血の流れの滞り(瘀血)や打撲によるなら「桂枝茯苓丸」「冠心逐瘀丹」「治打撲一方」
・加齢による老化現象が原因なら「牛車腎気丸」や「大防風湯」
・1と2が混在して湿度が高い時に痛めば「疎経活血湯」「独活寄生丸」「五積散」
・急な痛みや筋肉の痙攣、急性の関節痛なら「芍薬甘草湯」や「麻杏薏甘湯」
・1を頭痛に当てはめるなら「呉茱萸湯」「五苓散」「川芎茶調散」「釣藤散」


などの処方が、ごく一部の代表的なものではありますがよく使われています。

さらに、膝痛や関節痛で「コンドロイチン」や「グルコサミン」をずっと飲んでいる方などにも、その部分を動かさないと血管のない軟骨に材料を届けることができないので、痛くて曲げ伸ばしが出来ない時には、痛みをとる漢方薬を一緒に飲むことがたいへん効果的です。

漢方の考え方では、長い歴史の経験から、痛みの治療法がきめ細かくでき上がっていますし、今起きている症状を抑えるのではなく、その原因となるものに対し治療を行っていきます。

最近では、漢方薬の効果の解明も日々進歩していて、帯状疱疹後神経痛や、事故や手術で失った手足に起こる幻肢痛などの神経因性・心因性疼痛といった、鎮痛剤や麻酔が効かない難治性の疼痛にも「抑肝散」や「四逆散」等の漢方による痛みの軽減効果が報告されています。痛みの発生を鎮痛剤などで早めに抑えながら、その原因をしっかりと見極めて、漢方薬を使って改善、緩和していくことも、様々な痛みに対する治療の1つではないでしょうか。

私たちは、日々の漢方カウンセリングを進めていく中で、「どんな時が一番痛いのか」また「どんな時が一番楽なのか」などの、たくさんの問診を時間をかけて行っていくことにより、痛みを和らげるための色んなヒントや情報を頂きながら、それぞれの痛みの原因にあったお薬のご提案ができるように努めております。

長く悩んでおられる辛い痛みが軽減して、普段の行動が少しでも楽になるためのお手伝いが出来れば嬉しく思います。

梅川 哲朗

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梅川 哲朗 (登録販売者・九州中医薬研究会会員・国際中医臨床薬膳師)
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