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2024.5.8デトックス、ファスティング、春は体をリセットするのによい季節

梅川 哲朗

大賀薬局 ライフストリーム 漢方薬 梅川 哲朗

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デトックス、ファスティング、春は体をリセットするのによい季節

デトックス、ファスティング、春は体をリセットするのによい季節


夜はまだ少し肌寒い日もありますが、昼間は徐々に汗ばむ陽気となり、ほぼ1日を、半袖で過ごせる日も増えてきました。

春の時期は「デトックス」(いわゆる体の解毒)や、ファスティング(断食)などを行うのに、最適な季節だと言われています。

体のリセットをするのに春が適しているのには、いくつかの理由があります。







1.『外気温の変化による代謝機能への影響』

冬の寒さで代謝機能も低下して、脂肪や老廃物が溜まりがちだった体が、暖かく過ごしやすい春になって、代謝もだんだんと活発になり始めるから。








2.『動物的な体の習性や傾向の観点』

人間も含めた動物の体は、活動が低下する寒い時期に備えて、秋ごろから栄養を蓄えて、冬をじっとして過ごし、春にその排泄や行動を活発化させる習性があるから。
(熊などは、冬までに、体にエサをたっぷりと蓄えて冬眠に入り、目覚めるとまずは、溜め込んだ老廃物をしっかりと排出して、体をリセットしてから行動し始める。)


3.『東洋医学にみる春と体の機能の関係』

漢方や東洋医学では、春の季節のことを「発陳」と呼んでいて、〝陳い(ふるい)ものを押し出し、新しいものを発生させる時期″、つまり新陳代謝が活発になる時期と考えているから。
また、加えて春は、新しい草木が芽吹いて、茂り始めるように、私たちの体も活動的になるため、蓄えた栄養やエネルギーをしっかり巡らせながら〝不要な老廃物を解毒″してくれる、五臓六腑の「肝」の働きが活発になってくるから。

このような理由から、春は、体を整えるのに最適な季節だと考えられています。

もちろん、季節を問わず、デトックスやファスティングに取り組むことは可能なのですが、秋は収穫して蓄え始める時期、冬は寒くて代謝が落ちる時期、夏は暑さで体の調節が難しい時期という点からしても、やはり、過ごしやすい春がベストだと思われます。

その春の期間は、暦の上では、立春から立夏の前日まで、天文学では、春分から夏至の前日までと、捉え方も様々ですが、一般的に日本では、3月・4月・5月の辺りを指しています。

中でも、体のリセットに取り組むのには、昼と夜との寒暖差の影響を受けやすい3月や4月よりも、安定して温かく、暑すぎない今の5月がいちばんよいのではと考えます。



まずは手軽にできるデトックスから

「デトックス」という言葉は、体に溜まった有害な物質を排出させること、すなわち「解毒」のことを意味しています。

日々の生活において、私たちの体の中には、飲食物からだけでなく、洗剤やシャンプーなど皮膚に触れるものや、大気などから、たくさんの「有害物質」が入り込んできます。

こうして溜まってきた毒素や老廃物を、自然にしっかりと代謝して排泄できる体ならよいのですが、生活習慣の乱れや加齢などが原因となり、多くの人たちが、そうした有害物質を体に溜め込んでしまっているのが現状です。

そしてさらに、この有害物質が体内を回り出すと、体に様々な不調が起こり始めてきます。

そうならないためにも、あるいは、もうすでに何となく不調を感じている方にも、まずは以下のような、手軽なデトックス方法から、取り組んでみることをおすすめします。


◆《水分をこまめにしっかりとる》
体に溜まった老廃物などを、できるだけ尿から体外に排出できるように、こまめに水分をとることを心掛けましょう。
ただし、医師からの指示があったわけでもないのに、健康のためにと、1日に大量の水を毎日飲んだり、一気にとったりするのは、むくみや水毒などで体調を崩してしまう危険性があるので、注意が必要です。体の代謝機能は、人それぞれで大きく異なりますので。
それからデトックスには、朝の起床時と寝る前に、コップ一杯ほどの白湯を飲むのも効果的だと言われています。

◆《ゆっくり時間をかけて、軽めの運動を行う》
適度な運動は、血液やリンパ液の流れをよくして、体に溜まっている有害物質の排出を促してくれます。
ハードな運動になると、体内に活性酸素を増やし、組織や細胞を傷つけてしまう可能性もあるため、日頃からあまり運動をしない人にとっては、かえって逆効果になってしまいます。
ウォーキングやジョギング、ストレッチやヨガ等の、筋肉に軽い負荷をかけながら、時間をかけて体を動かす、有酸素運動などが、基礎代謝の向上にはたいへん効果的です。
軽く汗をかく程度を目安に、日頃から心掛けて行うとよいでしょう。

◆《シャワーで済ませず、できるだけお風呂に入る》
毎日が忙しく、さっとシャワーで済ませることが多い方も、できるだけお風呂に入る時間を作ることをおすすめします。
自分にとっての快適な温度で、なるべくリラックスしてゆったり湯船に浸かることで、血液やリンパの流れがスムーズになり、老廃物の代謝の促進や、むくみの解消にもつながります。
もし、お風呂に長く浸かることや、入浴自体が苦手な方でも、自分なりに軽めのマッサージをしながら半身浴をすれば、十分にデトックス効果があるのでチャレンジしてみて下さい。

◆《腸内環境を整え、便秘体質を改善する》
乱れがちな腸内環境を改善して、腸内フローラを整えていくことで、善玉菌の割合も増えていき、毒素や老廃物が便となって排出しやすくなります。
腸内環境や便秘体質の改善についての細かい話は、ここでは省かせて頂きますが、普段からの食事において、食物繊維の多い野菜や海藻、キノコ類を積極的に摂ることなどが、有害物質を吸着して排泄する、腸内のデトックスの促進につながると言われています。








漢方で捉える解毒の概念

漢方や東洋医学における〝解毒″の概念は、今までに述べてきた、西洋医学でいうところの「解毒(デトックス)=有害物質の排出」といった概念とは、少し異なってきます。

毒自体を「体の正常な生理的機能を阻害しているもの」として捉えて考察を行い、たとえば体の中の水の流れが阻害されている状態なら〝水毒″、血流が阻害されていれば〝血毒″、気(エネルギー)の流れが滞っていれば〝気毒″、あるいは、熱が体に異常を起こしていれば〝熱毒″といった表現で言いあらわしたりします。

漢方では、ひとりひとりの体の状態を見極めた上で処方を行いながら、こうして毒として捉えたものを、排毒や解毒という形に導いていきます。

主に、毒の排出を行う手段が、便によるものなら「瀉下剤」、尿によるものなら「利尿剤」、汗によるものなら「解表剤」、といった系統の漢方薬がよく処方されますし、またそれとは別に、打撲であざが治らない等の〝血毒(瘀血)″の状態がみられる場合なら、「駆瘀血剤」などの漢方薬がよく処方されます。

加えてその他にも、解毒の中心となる〝肝″の働きを高める「柴胡剤」や、デトックスのお茶でも有名な、十薬(=ドクダミ)、蒲公英(=タンポポ)、薏苡仁(=ハトムギ)などの生薬も、それぞれの体質をみながら、漢方ではよく使われています。






体をリセットするサインのあらわれ

本来、私たちには、生まれた時からの自然な解毒・排泄機能が体に備わっています。

しかしながら、昨今の生活環境の変化により、大気汚染や飽食、添加物・化合物などの氾濫が拡大したこともあり、体は、その自浄能力をはるかに超えた有害物質を、抱え込んでしまっている状況にあります。

肝臓や体自体の解毒機能が低下すると、だるさやイライラ、不眠、肌あれ、血液検査での異常値など、体に様々なサインとなってあらわれ始めます。

春は色んな症状が顕在化しやすい時期でもありますが、長引く不調を感じたりすれば、春に限らずどの季節でも、まずは、手軽なデトックスやファスティングにチャレンジしてみて、体のリセットに取り組んでみてはいかがでしょうか。


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