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2024.3.22この時期、ムズムズ・イガイガして鼻水や咳が続く。それってホントに花粉症?

梅川 哲朗

大賀薬局 ライフストリーム 漢方薬 梅川 哲朗

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この時期、ムズムズ・イガイガして鼻水や咳が続く。それってホントに花粉症?


3月の後半に入っても、まだまだ花粉症の症状で、専用の鼻炎薬や目薬などを、お店に買い求めに来られるお客様がたくさんいらっしゃいます。

そしてそのほとんどの方が、毎年花粉症の季節になると、同じ症状が出始めるということで、早い人では、1月初旬から症状が出て、慌てて薬を買いに来られる方も少なくないようです。

いつも同じ時期に花粉症の症状があらわれる方は、今までの経験により、使うべき薬やその対処法についての、ある程度の予備知識をお持ちなため、自ら店頭で、すばやく薬を選んでカウンターまで持参されます。

また時には、そうした方々も、その季節の体調で、症状の出方が微妙に違う場合もあるため、「今はこんな症状が強いので、飲み合わせも含め、花粉症の薬どれがいい?」と少し迷って尋ねられることもありますが、こちらが簡単な問診を行って、いくつかの商品を提案すれば、その中からさっと薬を選んで購入して帰られます。

ところがその一方で、「花粉症だと思って薬を飲んでいるが、なかなか症状が治まらない」「これってホントに花粉症かなぁ?」と使っている薬に疑問を持ち、相談に来られる方々も、この時期には意外と多く、改めて、〝その症状を起こしている正しい原因の把握″が、重要だと感じさせられることがあります。




花粉症じゃないとすれば…

では、「ひょつとしたら花粉症による症状ではないかも」と考察してみた場合、どんな原因による可能性があるかを、以下に、いくつかあげてみたいと思います。

◆『寒暖差アレルギーによる症状』
日中と夜との気温の差が激しいこの季節に、花粉症と似たような症状を起こす原因の1つに「寒暖差アレルギー」というものがあります。

寒暖差アレルギーは、急激な温度差により自律神経のバランスが乱れ、外気からも刺激を受けやすい鼻粘膜血管の、収縮や拡張が上手くいかなくなり、鼻の奥が腫れたりして、くしゃみ、鼻水、鼻づまり等の症状を起こします。別名、「血管運動性鼻炎」とも呼ばれています。

同じように外気に触れやすく、影響を受けやすい、喉に反応すれば咳を、肌に強く反応すれば蕁麻疹(寒冷蕁麻疹)を起こすこともあります。

花粉症との違いを見分けるポイントとしては、目のかゆみや肌のかゆみはほぼなく、くしゃみも一時的なもので治まりますが、体のだるさを感じやすいところにあります。

また、その対策として、寒暖差がある時に対応ができる服装、適度な運動、十分な睡眠と、できるだけ規則正しい生活を心掛けることなどが大切です。
自律神経のバランスの乱れが続いていると、結局のところ、花粉症にもなりやすくなります。



◆『アトピー性咳嗽(がいそう)による症状』

この時期に、どうも咳だけが目立ってなかなか治らない時は、花粉が気道に強く反応することにより、咽頭アレルギー、さらには「アトピー性咳嗽」を起こしている可能性があります。

咳の特徴としては、寝る時や夜中、起きがけなどに強く出ることがあり、イガイガして痰がへばりつくような感じで咳が出て、やや乾いた咳が3週間以上続くこともあります。

薬としては、花粉症と同様の抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬なども有効なのですが、咳止めによく配合されている〝気管支拡張剤が効かない″ため、コデイン系の中枢性鎮咳薬を使うことで、咳が治まりやすくなります。また、ひどくなると病院でのステロイド薬による治療などが必要となります。

その他にも、花粉以外のものに反応して、アレルギー性鼻炎のような症状を起していたり、気温の寒暖差がある時期に発症しやすい、軽い咳喘息などを起しているケースも考えられます。





改めて花粉症の特徴と傾向を考えると

花粉症は、長引くと、鼻の奥や目などで症状を起こしていることもあって、「頭重」や「頭痛」を伴う場合があります。

さらに、皮膚にアレルギー反応を起こすと「花粉症皮膚炎」という症状になり、赤みやかゆみとともに、肌のピリピリ感があらわれてきます。
花粉症皮膚炎は、乾燥などによる皮膚のバリア機能の低下がきっかけとなるので、花粉に敏感な方は、そうならないためにも、普段よりこまめな保湿をこころがけておきましょう。

それから、最近のデータによると、年齢が上がるほど、今まで繰り返してきた治療の効果や、加齢による免疫反応の低下で、症状がやや軽い傾向が見られ、若い世代ほど、細菌等の感染機会が少なく、糖分の過剰摂取などでアレルギー反応を起こしやすい体質になっているため、症状が強く出やすいことも分かってきています。


また、そうした辛い症状を緩和する薬の中には、「血管収縮剤」が入っているものも多く、常用すると、かえって鼻がつまりやすくなったり、充血しやすくなることもあるので、使い過ぎには十分な注意が必要です。

それぞれの症状の原因の改善に働く「漢方薬」も、専門家に相談の上、合わせて上手に活用してみるとよいでしょう。

最後に、過去に花粉症が起こる原因と特徴について、詳しく執筆したコラムがありますので、改めて参考にして頂ければ幸いです。



《2021年2月5日投稿》『花粉症はなせ起こる?その原因と特徴、そして対策について』
https://www.ohga-ph.com/column/detail/?cms_id=266&people=1

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